読書は一冊のノートにまとめなさい −長い愚かな迷いの果てに会えた一冊

奥野宣之さんの著書。この本は1年以上前に買って、読まないまま積ん読状態になっていた。

著者の最新の著書である「情報は「整理」しないで捨てなさい」を読んで奥野さんの本に興味を持つようになり、「そういえばこの人の本買っていたような・・・」とふと思い出して読んでみた。ベストセラーとしていつも平積みしてあった「情報は一冊のノートにまとめなさい」の続編として出た本で、目立つだけに手に取ったものの、当時の自分の関心の網に上手く引っかかることがなく長い間たな晒しになっていたのが、長い時間を経てようやく本当の出会いを果たすことができたという感じ。問題意識の未熟さや自分の考えの到らなさからすれ違ってしまう本があるということを知った。


本田直之さんの「レバレッジ・リーディング」を読んでも読書ノート「レバレッジ・メモ」を作るという行動に移すまでには至ることができなかった怠慢な僕だったが、ブログをすることの価値をようやく認識することができた今の自分なら、「行動のハードル」に萎縮せず、この本に心から共感して、実際に行動することができるような気がする。

長い逡巡を経て、自分の思考、精神がまがりなりにも少しは変化したからこそ今この本に本当に出会えたと思う。

この本は、本をただ読んで終わりにするのではなく、深く思考し自分の考え、理解として落とし込むための方法としての読書ノートの作り方を分かりやすく解説してくれる。

●「ノート」で読書をマネジメント

・「何となく」の読書ではなく、目的を明確にした主体的な読書ができる

・本で読んだ情報を確実に自分のものにできる

・昔読んだ情報や感想をいつでも自由に引っ張り出せる

●インストール・リーディングのフロー(仕組み化)

探す→買う→読む→記録する→活用する

●「読書ノート」で本と対話する

・「継続できること」はすべてに優先する。

これはまさに素晴らしい教訓。どんなに高い理想を掲げても、大きな目標

を立てても、継続できなければ何の意味もない。細くても長く続けて習慣

化することが大事。

●読書ノートの書き方

・「抜き書き+自分の感想」

・目的を「読了する」から「読書ノートを作る」に変える

・「自分にとって」重要な内容

・そこで発生した「自分の考え」

・感想は借り物の考えではなく、自分がどう感じたか、どう思ったかを記すことに意味がある。

・読んだ本に対する感想を一言でいいので素直に記録することが、「自分を作る読書」には必要

・象徴的一文を探す

・著者の言葉と自分の言葉を並列に並べてギャップを感じることで自分の未熟さを直視

・考えは必ず何らかの刺激に対するリスポンス:無からアイデアは生まれない。

・言葉にして再現可能な形に保存する。

自分の言葉としてインストールすることが必要。

パッシブリーディングからアクティブリーディングへの転換が必要。

本を読んでせっかく考えたこと、感じたこともその瞬間から流れて消えてしまう。ただ受身で著者の考えにうなづくだけではなく、自分で考えたこと、感じたことを言語化し、可視化すること。

未熟な考えでも言葉にして残すことは思考を深化させるために重要な行動かもしれない。そこで自分の考えを止まらないために。


●読書を体験化

・本の受け売りから自分の考えへの跳躍を生むツールが読書ノート

・アウトプットするからインストールできる

・人に教えるのはもっとも身近なアウトプット

・アウトプットをやらないと体系的な知識にはならない

まさに、そのとおり。仕事で経験しているように、プレゼンをするためには参考資料を一回読んだ位では対処できない。自分の言葉、自分の理解に落とし込んでこそ、体系的に人に伝えられる。

読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング (Nanaブックス)

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