レバレッジ・マネジメント

本田直之さんの「レバレッジ」シリーズの一冊。
この本が出版されたのはもう1年以上前だが、当時書店で手に取りつつも買わなかった一冊。
当時の自分の心理状況を思い起こすと、まず、「マネジメント」ということで自分にとってまだマネジメントの現実性が低かったこと。
今考えれば「自分が経営者だったら」「マネジャーだったら」という心構えは例えマネジメントに関わらなくとも養わなければならないことではあったが、そこまでの考えに至っていなかっておらず、実用的な本に走っていたと思う。
もう一つは、本田さんのレバレッジシリーズの内容を軽視していたこと。
本田さんのレバレッジシリーズは、当時何冊か読んでいたが、語弊があるかもしれないが目新しい「目から鱗」的なものが書いている訳ではない、という印象があった。
さらに本人の風貌、ものすごい勢いでの出版・・・という表面的な事象にとらわれ軽いビジネス書を多発する作家と印象を固めてしまっていたように思う。(本田さん、申し訳ありません。)結局、1回読んで分かって気になり、そのまま本棚の肥やし・・・というお決まりのパターンだった。
しかし、レバレッジ・シリーズを読んでから2年、その間に多数のビジネス書を読んで、今になって本田さんのスゴさが分かる。
本田さんが何より重視しているのは「仕組みづくり」。自称「なまけもの」(到底そうは思えないが)だからこそ、効率化し最小の負担で最大限の効果を出すための「仕組み」を作ることに注力する。
DMWL、ということで「楽して成功しよう」というふうに曲解されかねないコンセプトと言えなくもない。
しかし、本田さんが提唱していることを実行することは簡単なことではない。
レバレッジリーディングで提唱されているレバレッジメモを作る手間をいとわないことだって、誰でもできることではないと思う。プレーンテキストで体裁を気にせずただ要点をメモするだけ、だってやり始めるのに意外にハードルは高くさらにそれを実行し続けることは楽なことではない。
僕も紆余曲折を経て、今でこそ美崎栄一郎さんのA書評(本を読んで、アクションプランを作る)という考え方を受け入れて、いまでこそA書評をブログにアップするように心がけているが、習慣化することは簡単なことではない。
美崎さんの本を経た今だからこそ、本田さんの本がようやく今分かる、ということがあり、成功している人たちの行動や思考、心構えはすべて共通している、ということが理解できたからこそ今本田さんの本もすっと頭に入ってくる。このように、昔読んで読んだだけで終わっていたことが、今は少しずつ行動、習慣に反映されてきている。少しは、僕のContinuous Improvementも進んでいると思う。

本田さんの「レバレッジシリーズ」を読んだ当時(2007年ー2008年頃)できていなくて、今やっていること

・読んだ本のエッセンスの抜き書き(レバレッジ・メモに近い)
タイムマネジメント(ようやく、勝間和代さん、小宮一慶さんの本の影響を経て手帳、スケジュール、To Doリストを活用できるようしてPDCAサイクルが習慣的にできるようになってきた)
・俯瞰思考(仮説思考)(内田和成さんの著書「仮説思考」「論点思考」)
・内部要因思考(勝間和代さんの翻訳された「Life Strategies」、青木仁志さんの「一生折れない自信のつくり方」、ブライアン・トレーシー「完全無欠のマネジャーマニュアル」の影響)
・自己投資(グロービスでの勉強)
もちろん、現状に満足しない。できていないことはいっぱいあるし、上記もようやく少しずつ、できるようになってきた、という程度。
繰り返し繰り返し、無意識に苦痛なくできるような習慣レベルにまで落とし込む。

A書評
○仕事上のタイムマネジメント
時間の使い方を把握
「必要なのにできていないこと」を抽出
・営業の仕組みづくりの時間
・ミーティングによる現状把握、情報共有の時間
・現状分析・戦略策定、目標設定、評価の時間
・IT戦略策定、問題解決の時間
天引きし、残りの時間で通常業務片付ける
通常業務を短時間でこなせる業務改善、効率化

○メンタルタフネス:自分に解決できない問題など起こらない。自分に降り掛かる問題はすべて自分が解決できるレベル。逃げないこと。
○ITの勉強:基幹システム、業務システムについて勉強する方法を考える
○早起き

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学んでいるか?
目先の仕事というアウトプットばかりで、学ぶというインプットがない経営者は何一つトレーニングをせずに競技に臨むアスリートのようなものだ。(このアナロジーが分かりやすくてとても好きだ)
手っ取り早く効果が出るのは読書
セミナーの参加 インタラクティブで、質問すれば本より遥かに大きなリターンが望める

内部要因思考
うまく行っていない経営者によくあるマインドセット:「思考停止癖」
言い訳をいったん口にすると際限なく「できない理由」が浮かんでくる
「どうやったらできるのか」常にこのように具体的に考える→内部要因思考
・今の状況を鑑みて、いったい、何をどう変えればできるようになるのか
・100%は難しくても、できる範囲で改善できる点はないのか?
・今は無理でも、何年先ならできるのか?

勘で意思決定しない
ロジカルに意思決定する便利な思考ツール:プロコン

ポジションが人を作る:客観性を持って「経営者という自分の立場をいかに演じるか」を考える
経営者は役者と同時に演出家:会社全体を盛り上げる「演出力」も兼ね備えていなければならない

投資視点
「余裕ができたら」「そのうち」そんな時間は一生来ない
会社の仕組みや時間の使い方は放っておいて自然に改善することは皆無
投資支店:長期的な時間軸の視点 経営者は短期的な時間軸の視点で物事を見てはいけない。
まず長期的な視点で考えて形を作ってから、日々起こっている短期的なことを考えるという手順をとるべき
余裕は必ず生まれてくる。

タイムマネジメント
時間は重要な経営資源
経営者個人のタイムマネジメントを突き詰めるべき
?時間家計簿の作成 自分の時間の使い方を把握
?時間の分析 無駄や、やろうとおもっていないことにできていないことを把握。問題点の抽出
?天引きを意識してバジェット作成
「必要なのにできていないこと」を先に天引き 余った時間でやろうと思っても、時間は決して余らない
・自己投資の時間を天引き
・社員のレベルをあげるための仕組みづくりの時間
・会社の方向性を決める時間
?実行と振り返り
天引きした残りの時間で通常業務をこなせるよう効率化 PDCAで振り返り、改善

俯瞰逆算思考
新しいサービスを立ち上げるとき、期限を切ってゴールまでのプロセス、プランをきちんと作る
俯瞰逆算思考を持たない限り、常に負われる経営になってしまう
俯瞰逆算思考 やることを明確にして、そこに到達するまでの道のりをはっきりさせなければならない

シミュレーション
想像力は経営者に必要不可欠なスキル
「計画完了後の自分の姿を予想するのが計画」

商品・サービスのサイクル
ニーズを分析し、分析をもとに戦略を作る、実行する。
実行してきたことをまとめ外部に対してPR、さらに仕組み化
サイクルをまわす中で
「今何をしなければならないのか」
「長期的には何が必要か」
を考える

早起き
脳科学的に朝の方が創造的に物事を考えられ、マインドも高く、前向きな思考ができる
朝にはあらかじめ制限があるので優先順位を考えて効率化することができる
時間制限をする癖がつく
朝早起きの繰り返しで好循環が生まれる

無意識化
人間が意識的に行動していることは5%にすぎず、残りの95%は無意識の行動
できる限り無意識化、習慣化してあまり深く考えずに行動できるようにする→仕組みづくり、会社の定義付け
これが長期的に大きな差になる
問題が生じたとき、ピンチをチャンスと考えることを意識的に繰り返せば、やがて無意識的にこのような思考ができるようになる

メンタル・フィジカル両面のトレーニン
?ピンチはチャンスだ」という思考癖
?身の周りには自分が解決できないような問題は起こらない
?すべてはトレーニング次第であり、メンタルタフネスも上げられる

何か問題が起きれば、メンタルタフネスを鍛えるトレーニングの機会
フィジカルも決しておろそかにしない

経営者が学ぶべきスキル「語学、IT、金融」