外部環境の変化を捉える”シナリオ・プランニング”講座 出席

「戦略思考のフレームワーク 未来を洞察する「メタ思考」入門」(東洋経済新報社)の著者、西村行功さんの「外部環境の変化をとらえる“シナリオ・プランニング”講座」に出席してきた。

この本は「シナリオプランニング」という企業が未来を洞察するための手法を通して、SEPTEmber, 5Force, 3Cといった基本的な戦略フレームワークの使い方から、その前提となるロジカルシンキング、システムシンキングといった思考法までわかりやすくカバーされたとてもいい本だと思いました。

しかしながら、この手の本は自分の経験としては、読んで分かった、と思っただけで終わってしまいがちで、定着しない、使いこなせないというのがジレンマだと思ったので、せっかく著者自身のセミナーがあるということだったので出席してみた。

出席してみてあらためて重要なこととして気づいたのは、

マインド
・戦略は、外から→「アウトサイド・イン」の発想:自社の強み、は一度横に置く
・メンタル・モデルの存在を意識:ヒトは固有のモノの見方、癖があることを意識する

プロセス
・Key Driving Forceを見つけ、因果関係で結ぶ
・「氷山」の水面下の動き(トレンド、潮流)を見る視点をもつ
・軸の取り方(幅が狭すぎると意味ある場合分けにならない)

それから、このプロセスはコンサル主導ではなく、自分たちでワークショップでやる、ということで、だからこそ自分たちで腹落ちして納得感をもち、社内で共有し、それに基づいて戦略実現のために行動を起こせる、という側面があることに気づけた。

「風通しがよくなる」という作用もあるそうだ。
これはまじめに企業が置かれている状況を自ら分析し、会社として何をすればいいのか、どう変わるべきかを真剣に社内で議論する過程で、社員の間に共通の問題意識と、連帯感、ネットワークが生まれること、そして自社のことを正直に、真剣に話し合える風土ができるからなのだろう。
柴田昌治さんの企業風土改革の手法、堀公俊さんのファシリテーションによる企業変革の手法と共通するなと思った。

ミニワークショップでシナリオを実際に作ることも体験した。グループワークで目、頭、手、口と体を使ってシナリオを作る。
特に初めて会った、バックグラウンドも年齢も全然違う人たちと、グループワークをやるのは結構しんどかったが(いろんな考え方の癖、思考パターン、行動パターン、自分と異なる意見に対する態度とかが議論で現れる)、実際のワークショップにおいても、立場が違うメンバーが共通認識を探していくのは、社員が納得感をもって共有できるためのシナリオを作るための一つのプロセスなのだろうと思った。

不透明な未来を読み解き、変化する環境にいちはやく適応する戦略を策定するために、シナリオプランニングが非常に有効であること、そしてそのプロセスのあり方を頭だけでなく体で感じられたとても楽しいセッションだった。

講師の西村さんにはTwitterでRTいただきまして、ありがとうございます。
とても有意義なセミナーでした。本当にありがとうございました。

戦略思考のフレームワーク―未来を洞察する「メタ思考」入門

戦略思考のフレームワーク―未来を洞察する「メタ思考」入門