人が動く会社

「プロフェショナル 仕事の流儀」星野リゾート星野佳路さん登場回をOBHクラス勉強会で鑑賞。星野氏の関わりで破綻したリゾートの従業員たちが自分達のあるべき姿を真剣に模索し、見つけて行く過程の中でどんどん目の色が変わっていくのが印象的だった。人がこんなに変われることに感動した。

星野さんの社長としての仕事のスタイルは常識を覆すようなことばかりだ。

社長が偉そうにしていたら社員は士気が上がらないからと、社長室を持たず、社内のたまたま空いた机で仕事をする。
最終的な意思決定を自分ではなく社員に委ねる。
徹底的にフラット化した組織を採用し、ユニットのリーダーは年齢や経歴に関係なく立候補、で決める。

「主役は社長ではない、社員であるみなさんです」

口ではこうした言葉はいくらでも言えるだろうが、ここまで徹底することは簡単にできることではない。
それはどうすれば人は動くのか、というビジネスパーソンにとって普遍的かつ根源的な問に対して深い洞察があったからこそ、一見常識外れにもみえるようなこのような仕組みを作り、社員をワクワクさせ、自分から動くようにすることができるのだろう。

ここには「任せれば人は楽しみ、動く」という星野氏の思いが貫徹している。

トップダウンで命令されても、やらされて動いている限りは人はそれ以上に考え、自主的に行動することはない、ということを身をもって味わったからこそ行き着いた思想なのだろう。

人が根源的にもっている誰かの役に立ちたいという思い、人を喜ばせたいという思いがモチベーションの源泉となり、社員が動く。

人が動く、というのはそういうことなのだと思う。

現場の人たちが自ら使命感をもって考え、行動する、そんな組織を実現させるためには人の可能性に対する信頼があってこそ、ということを学んだ。