「問い」が思考の流れを変える
コーチ・エィ社長の鈴木義幸さんが日経ビジネスOnlineで連載されている「鈴木義幸の人を動かす問いの力」という連載記事には毎回考えさせられてしまう。
コーチングについて勉強するようになり、「問い」が持つ自分や他人の思考を拡げたり、方向を変えたりする潜在的な「力」について気づかされたが、この記事はあらためて読むと本当に気づきが多い。
「最低10個、“自問”する」
【第4回】相手の思考を変える基礎トレーニング
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110218/218486/
育たない部下に対して起きがちなセルフトーク。
(もうやってられないよ)
(自分できちんと学べよ)
(何度も同じこと繰り返し言わせるなよ)
こうしたセルフトークは確かに被害者的でそこから何も生み出されるものはない。
これに対して、
(彼に対して、今すぐできることは何だろうか?)
(彼のようなタイプにうまく対応できる人は、うちの会社で誰だろうか?)
(彼を部下にもったことで、自分はリーダーとしてどのように成長できるだろうか?)
こうした「問い」に変えただけで自分や周囲が変わり、成長していくという方向に思考が変わる。
問題解決や、新しい行動に結び付く思考につながる。
ああ、これが「問いの持つ力」なのだと気づく。
確かに僕も日常的にネガティブなセルフトークに支配されて被害者モードによく入ってしまう。
(どうしてこんなに言っても何も行動を起こしてくれないのだろう)
(しょせん何も変わらない。やるだけ損)
(どうしてこの会社は戦略もビジョンも語られることがないのだろうか)
しかし、適切な「問い」を立てれば、思考は前向き・生産的なものに変わり、視野がとたんに広がり、そこから生まれるアウトプットはまったく違うものになる。
(どうやったらこの人にやる気を起こしてもらえるだろうか)
(どんな言葉がこの人に響くのだろうか)
(どんなときにこの人は笑い、心を開くのだろう)
(どうしたらこの人と本気で仕事の問題を語り、気持ちを共有し、一緒に新しい行動を起こすことができるだろうか)
(この会社でビジョンや戦略を語るためには何をしたらいいか)
(どんな機会でビジョンの価値を伝えることができるだろう)
(もっと社員がホンネで語り、問題を共有し、解決のために協力しあえるような風土を作るために、僕は何ができるだろう)
この「問いの力」は「自主トレ」で高めることができると言う。
ネガティブなセルフトークが起こったら「問い」。忘れずにいたい。