「モチベーションを思うまま高める法」

Hackシリーズの小山龍介さんの新作。
恥ずかしい話、本を読んでは影響を受け、頑張ろう、やり遂げようと奮起しては、思うようにならずがっかりして意気消沈したり、やる気を失ってしまうことを繰り返している自分だが、なんとか前向きな気持ちを持続し頑張り続ける方法はないものかと手にとった(安易だが・・・)
この本の主な主張は、高いモチベーションを維持することはもはやビジネスパーソンとしての「スキル」だということだ。モチベーションの維持がスキル、という切り口は非常に分かりやすく、かつ新鮮だ。
時代は変わり競争が厳しくなって給与やポジションで会社に処遇してもらうことにモチベーションの源泉を求めることはもはやできない時代。
競争すれば必ず誰かが敗者になる。勝負で勝つことでなく、自分がやりたいことをやる、なりたい自分に近づくこと、内発的動機に基づく自己実現こそがモチベーションと捉える。

誰かに認められたい、評価されたい、ということをモチベーションの中心に据えていることの危険性を著者は説く。

「この文化はそのうち、とんでもない倒錯を生みだします。
『人から評価されないからやる気が出ない』『十分な給与がもらえないからがんばることができない』」

確かに、この思考回路は陥りがちな罠で、僕もこうした思考にさんざん翻弄されてきたと思う。しかし給与が上がらないこと、思うように周囲が認めてくれないからやる気が出ない、というのは自分の生き方、人生をあまりに外部に依拠しすぎているのではないか。認めてもらう、とか給与が上がるというのはあくまで結果として付随的についてくるものであり、目的、ゴールではない。
こうした外から与えられた動機(ニンジン)ではなく、よりよく生きること、より成長するという自分の中に根ざす「内発的動機」ことを、モチベーションの根幹に据えるという著者の考えは非常に納得感がある。このあたりは昨年話題になったダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」の趣旨と重なる。

有名なマズロー欲求段階説のピラミッドを上下逆さにしたマズロー逆ピラミッドの話があったが、これは本当にそうだなと思う。

僕にとっての今の目標はリーダーとしての能力を高めることだ。
リーダーとしての思考、行動が自然に、無意識にできるようになりたい。そうすることによって人間的に、またビジネスパーソンとして大きく成長したい。

・メンバーに影響力を発揮する
・率先して行動し、信念に基づいて一貫した行動ができる自分でありたい。当然のことだがそのためには確固たる信念がなくてはならないだろう。
仕事を通して、人生を通して自分が大事にしたい価値、譲れない実現したいことはなんなのか。

・ビジョンに基づいて、ビジョンの実現の為にチームが自ら考え動くチームを作りたい。そんなチーム、会社で働きたいと思う。そのために僕はビションを描き浸透させる。
・ビジョンを描き、確立するために普段からチームがどうあるべきか、どのような方向に進むべきか考えていなければならない。
・何度も何度もビジョンを描いては、ミーティングで語る。伝える。一度や二度では伝わらない、それを実行し続けよう。
独りよがりのお仕着せのビジョンではなく、みんなのものにするために共同作業でビジョンを作る
そのために、普通にビジョンについて話せるチームにする。
・その機会を自分のリーダーシップで作る。
・クライアントのために何ができるか常に考え、自発的に行動できるチーム、常に学習し、進化できるチームを作りたい。

・ワクワクするような雰囲気を作る。
・明るく、ワイワイと仕事に向き合える、風通しがよく、仕事の問題をオープンに話し合える雰囲気を作る。そのためには普段から明るく大きな声で挨拶し、話しかける。


◇好きなことではなく上達できることに取り組む
やれば確実に成果が上がることに取り組むことがモチベーションを維持するコツ。
少しずつでも上達を実感できることがやる気につながり、ポジティブフィードバックが働く。
今の自分にとっては
・英語
・合唱
がこの対象か。

コーチング的「成長モデル」
◇小さなプラスを見逃さないこと:過去の自分と比べて自分が成長した部分に着目する(欠乏モデルとの対比)


◇他人の評価に縛られないコツ:何に対して注意を向けるかを自分で選ぶ
これは単純だが至言だと思った。厳しい現状、思うに任せない現実に直面したときそれにあまりに気を取られたり、怒ったり、意気消沈したりする自分がいる。しかしこうした反応は避けられないものではなく、全部自分で選んでいることなのだ。
同じ事象に対して違う反応をすることができる。
どんなことがあってもじぶんのモチベーションが上がることに注意を向け集中することは能力であり、テクニックだということを学ぶことができた。
どんなことがあっても、今自分が集中しなければならないのは、リーダーとして、これまでグロービスや本で学んできた知識やスキルを総動員してチームに変革を起こすこと。
人は思った以上に簡単に集中力をなくし、周囲の出来事に注意を奪われてしまいがちだ。もともと自分は何を目指していたのかーどんなことがあっても自分が向かうべき針路を見失わないようにすることはモチベーションを高めるために非常に重要なことであり、必要な一つのスキルと理解した。

モチベーションを思うまま高める法

モチベーションを思うまま高める法