自ら成長し続ける

グロービスの実感するMBA」シリーズの最新刊。このシリーズの「自問力のリーダーシップ」はリーダーとしての心構え、基本的な姿勢について分かりやすいストーリー仕立てで教えてくれ、リーダーシップの本などまともに読んだことのなかった自分には、わかりやすい良書だった。わかりやすい、だけでなく自分のリーダーとしての覚悟のなさや本気度のなさを痛感させられ頭をがつんと殴られるようなショックを受けた衝撃の本だった。
この本は田久保先生の著作。
変革を実現するために外すことのできないツボをわかりやすく伝えてくれる。
人脈作り、健全な根回し、といったステップや方法論だけでなく、結局最後には人を動かすためには人に信頼してもらえるに値する人格を獲得すること、「強い思い」をいかに持ち続けるか、という点で、結局ビジネスパーソンとして成長し続けることが何よりも重要ということが分かる。

180ページ程度と比較的薄い本だが、内容は凝縮されていて、到底一回のエントリーでは感想をカバーできそうもない。
とりあえず一番印象に残った「自ら成長し続ける」の章についてのみ書いてみる。

■自ら成長し続ける:7つの大切な心構え

1.その時のベストを尽くす
・常に100%の力を出し切る
・余力を残して仕事をしていると成長は加速されない

どこかで手を抜いてしまいそうになる自分。ここまでやったからいいや、と自分に甘くなり、適当なところで終わらせ、安きに流れてしまう自分がいる。しかしそれでは同じレベルから先に進むことはできない。さらに高いステージに到達するために、常に力を出し切るようにしなければならない。

2.ロールモデルを頭に描く
ありたい姿と自分の落差を意識することで、自分が何をすべきかが明確になる。
あまり自分は身近なロールモデルを意識することはなかったが、やはりそれでは曖昧になってしまう。影響を受けたビジネススクールの先生や、自分には到底まねできない、と思った積極的な参加姿勢でクラスに、勉強会に臨んでいたクラスメート。彼らをロールモデルにして、少しでも自分も近づきたい。

3.メンターを持つ

4.自らを振り返る時間を持つ
最近、立ち止まって自分を振り返る時間を持てていなかった。どんどん状況に流されて自分があるべき方向に向かっているのか、確かめることや軌道修正をできないでいる自分がいる。

5.身の回りにあること全てから学ぶ姿勢を持つ

仕事から学べること:
・リーダーシップ
・コミュニケーション
・戦略づくり
・プレゼンテーション
経理
・営業
・英語

こう考えると自分の仕事は学びの宝庫。
恵まれているのかもしれないな。

他にもサークル活動や友達付き合い、身近なことからもリーダーシップや問題解決を学ぶことができる。

6.学びかたを学ぶ
どうやれば学びを最大化できるかを考える。例えば、インプットだけではなく、アウトプットをする。ブログも学びを体系化するための一つの方法論だと思う。
学びの仕組みを作ることをもっと意識してやらないと。


7.集団での成長を意識する
自分だけではなく、周囲にいる人と学び合える環境を作る。これはちょっとなかなかできていない。意識的に勉強会の場を作ったり、ラーニングを加速するような方法を導入することが必要そうだ。

■仕事上のポイント:
・挑戦的な業務を自ら取りに行く
・1プレイヤーから、人を動かす、まとめるなど、マネジャー的な仕事を取りに行く
・新しい仕事の立ち上げに参加する
・海外で働く機会を取りに行く
・場所の移動を伴う社内異動のチャンスを探す
・一つ上の視点で考える

正直、1プレイヤーで自分の割り当てられた仕事をこなしていれば文句は言われない、という立場からマネジャーになって大きく立場は変わった。プレイングマネージャーで、現場の仕事をこなしつつ、マネジメントの視点を持ち、チームとしてどう方向付けをして行くかを考え、伝えることは簡単なことではないとよくわかる。
部下から見て自分はどう見えるのか?
どうやったらチームの雰囲気を明るく、前向きなものにできるのか?
どうしたら自分の意図をチームに伝えることができるのか?
部下のやる気に火をつけることができるのか?
いつも試行錯誤の中で仕事をしているし、へこたれそうになることもしょっちゅう。それでも、やってよかった、この役目を引き受けてよかったと思えるようになりたいと思う。
人に動いてもらうためには自分はいつも本気でなければならない。一歩、二歩先を読んで次の手を考え続けなければならない。こうしたことをくじけずに繰り返しているうちに、前に進めると信じたい。

■目的を持って生きる
「自己成長」を考えるとき、自分はどこに向かうのか、自分自身の人生の確かな目的、指針を持っていたいと思う。
僕はそれがはっきりしていないから、何かあるとぶれるし、思うようにならないとき、しんどいときに挫けそうになってしまう。
ただ、今思うことは確かな価値を提供できる職場にすること。
何をすればお客様に対してベストなのかを常に考え、形にできる、皆でそれを実現できるチームを作ること。
自分は自ら成長し、周囲を導けるようなリーダーになること。

リーダーとして「ことを成し遂げる」ためには一人ではできない。人を動かすために押さえておかなければならないことがたくさんあるが、最後に人を動かすのは信頼、それを得るために常に成長していくことができる姿勢なのだと思った。
少しでも前に進み、成長するために頑張ろうという熱い気持ちが生まれてくる素晴らしい一冊。

社内を動かす力 (グロービスの実感するMBA)

社内を動かす力 (グロービスの実感するMBA)