誰でもリーダーになれる3つの約束

和田裕美さんの最新刊。
毎回和田さんの本には勇気づけられ、また前に進もうと思う前向きな力をもらうことができるが、今回も期待に違わぬ充実した内容だ。魂が込もっていると思う。
例によって特に心に響いた部分についてコメントしてみる。

■とにかく明るく、どんなときでも明るく
「私の感情が出す空気によって、組織の雰囲気が変わってしまうんだとそのときつくづく思った私は、それからどんなことがあっても、明るく元気に振る舞うことを自分に約束したのです。」
思い起こせば思うようにならない時に不機嫌な気持ちを周囲に振りまいたこともあるし、疲れている時にどんよりとした気分を顔に出していることもあった自分。
でも、職場の空気、チームの雰囲気はまぎれもなく自分が作っているというのはまぎれもない事実。。
前向きで明るいチームを作るためには、まず自分がいつも前向きで、明るくいることが本当に大事だと思う。

■とことん向かい合う
人はどうしても自分がかわいいので、何かうまく行かないことがあると自分でなく、つい周囲に原因を求める性向があると思う。チームメンバーに自分の思うように動いてもらえないとき、それをメンバーのやる気や能力の問題にすることは簡単だ。
でも、本当にそうなのだろうか?
和田さんがマネージャーアップミーティングでかつてのボスから聞いた言葉は自問を促す。
「自分のやり方や自分の能力に問題があるとは思わず、たえず部下の能力に問題があるとするのか?」
「相手のせいでなく自分には悪いところがなかったか?本当に、一人一人に対して向かっていったことがあるのか?」
周囲を本気にさせられない、影響力を与えられない自分に問題があるのではないのか?本気でメンバーに向き合い、自分の思いを何度もあきらめずに伝えたのか?
絶えず自分に向き合い、自問し、相手に真剣に向き合っていくことを忘れずにいたいと思う。

■「ありがとう」を頻繁に言う
「ありがとう」は何気ない言葉だけど、それだけに軽く扱ってしまいかねない言葉。いろんなことを人にしてもらって当たり前になりつい言葉にすることを省略してしまいそうになる言葉。
でも、人の好意や頑張りに対してきちんと「ありがとう」と心を込めて感謝を伝えたい。
和田さんは「ありがとう」は「相手を褒める言葉の次に相手の自尊心を上げる言葉」だと言う。
「ありがとう」はやる気を高め、雰囲気を明るくする言葉なのだと思う。

■マネージメントしない
「マネージメントしない」というのはどういうことだろう?とふと疑問に思ったが、これはつまり「管理する」リーダーにならないということ。安全なところにいて命令だけするリーダーに誰もついていくことはない。
率先垂範、自ら先頭に立って行動する。メンバーと一緒になって汗を流してこそ、リーダーは信頼される。


■プロ意識を持たせる
どんな仕事でも、経験不足でも、それでお客様から対価をもらい、給料をもらっている以上それはプロであり、プロという自覚を持って仕事をすること、そしてそれを部下に伝えることはリーダーとして大事な仕事。
プロ意識があればこそ、今の自分のレベルに安住せず、向上心を持って自分の能力を高める努力を続けることができ、自信もできる。
ついつい忙しくなると、仕事をこなすだけで精一杯になり、質の高い仕事をすることが二の次になってしまうことがある。
また、経験不足を言い訳にうまくできない自分を正当化してしまう自分もいる。
でもそうじゃない。プロとしての自覚を持って、常に質の高いアプトプットを出し続けること、レベルを上げる努力がとても重要だと思う。そして、その精神をチームに拡げて行きたいと思う。

■いつも情報を収集して伝える
生産性の高い状態を維持することはリーダーの重要な仕事。
確かに同じことを続けていれば仕事に飽きもくるし、チームの雰囲気もだれてしまうことがある。
和田さんが言っているのは、メンバーのモチベーションを高め、チームの雰囲気を更新し、仕事を新鮮にする情報、ネタのこと。
気付きや、新たな問題意識を与えてくれたり、インスピレーションが高まる言葉。
そんなネタをどこで手に入れるのか・・・?

やはりいろんな本を読んだり、新聞や雑誌を読んだり、人一倍情報収集をしなければならないと思う。
心に響く言葉が、チームの生産性を高めるという視点はあまり持てていなかったが、今後意識的にこうした視点で情報収集をしていこうと思う。

■朝の30分を大切にする
「朝の30分で切り替えてもらい明るい方向に向かってもらう(陽転)ことで、その日一日の行動はすべて変わってきます。何もしないままでいるよりも、まったく結果が変わってきます。」
この和田さんの言葉から学べることは、
「大変だ」
「もうやりたくない」
そんな心理的状況に陥っているかもしれないメンバーの気持ちや雰囲気をいかに切り替え、前向きな空気を作り出すこと。
これもリーダーの仕事なのだと思った。
正直、こんな意識を持ってミーティングをすることは十分にできていなかった。
困難な状況にあっても、チームのメンバーがつらい思いをしている時でも、そんなときこそ明るい雰囲気を作って、メンバーの前向きな気持ちを引き出し、行動を促す。
今後のミーティングにこうした要素を取り入れて行きたいと思う。


こうしてこの本を読んで思うことは、いろいろ考えながら仕事をしているつもりでも、自分は本当にできていることが少ない、ということ。
そしてあらためて思い出したのは、自分の一挙一動がチームに影響すること、チームは自分の鏡だということ。
確かな使命感と本気度を持ってメンバーと向き合い、手をかければチームは育つだろうし、逆に生半可な気持ちで関わり、リーダーとしての行動をしなければ、チームの空気は淀み、成果も出せなくなる。
和田さんの本で学んだことを忘れず、リーダーとしての自分の使命を忘れずに、少しずつでもできていないことを改善していきたいと思う。

誰でもリーダーになれる3つの約束

誰でもリーダーになれる3つの約束