リーダーシップの定義
酒井穣 著「リーダーシップでいちばん大切なこと」を読んでいる。
薄くて字も大きく、なんとなく軽く読めそうな本と思って軽い気持ちで買ってしまったが、読んでみてその奥深さにのめり込む。
著者はリーダーシップを下記のように定義する。
「人間のリーダーシップとは、孤独を受け入れ、他の誰でもない、自分自身の人生を誠実に生きる力のことであり、リーダーとは、その力を持っているか、または持とうとしている人のこと」
リーダーシップというと、人を導いたり巻き込んだりする力、と解釈されることが多い中で、この定義は少し異質でもあり、かつ新鮮に響く。
確かに人を導きたい、巻き込みたいと思ってリーダーになるのではないと思う。それが一義的な目的ではないだろう。
何かを信念に基づいて何があってもやり遂げようとする姿勢、行動に周囲の人は共感し、フォロワーになる。著者が指摘するように、フォロワーが付くかどうかは結果論なのだと思う。
「自分のリーダーシップを必要としているのは、どこかの誰かという「他者」ではなくて、たった一度の人生を、自分の価値観に従って生き抜こうとする「自分自身」なのです。」
これは本当に腹にすっと落ちる表現だと思った。
そう、僕も誰かを従わせたり、まとめたり、別にそんなことをしたいと思っているわけじゃない。
ただ、自分自身の仕事や人生に対する価値観を体現したい、と思う。
問われているのはそれだけの価値観を持っているのか、ということと、どんなことがあってもそれをやり抜こうとする本気の気構え、思いを持っているかということだ。
リーダーシップは自分のためにある、より良き人生を生きるために、必要なものである、という考え方はすごくわかりやすいと思う。
煎じつめるとリーダーシップは「生きる力」なんだ。
どんなことがあっても自分を鼓舞し続け、揺るがぬ意思を持って理想に向かって行動を起こし続けること。自分を信念に従って導くこと、理想を実現するために自分をモチベートすることがリーダーシップの本質なのだと思う。
自分自身に対してリーダーシップを発揮できなければ、どうやって人を巻き込んだり、モチベートすることなどできようか。
リーダーシップの問題に自分が今直面し、もがいているのは
苦しんでも、辛くても成し遂げたいものがそこにあるのか、
なんとしてもそれを実現したいという信念があるのかが問われているから。もしなければそれまでなのかもしれない。
でも僕は自分なりにお客さんに価値を提供できるようになりたいと思っていたはず。
そして今、この仕事(保険の仕事)をしていることが震災からの復興の一端に役に立てると信じている。
挫けそうな時こそ、弱くなりそうな気持ちに負けずに何が自分にできるか真剣に考え、行動したいと思う。
- 作者: 酒井穣
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2011/03/16
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 54回
- この商品を含むブログ (5件) を見る